音楽

昔々、H君は音楽があまり好きではなかった。
学校の音楽の授業で一人ずつ歌わされるのが嫌だった。
それ以前に音楽を嫌いになった出来事がありました。


初めて連れて行ってもらったカラオケではしゃぎまわっていたら、父のビールジョッキに私の手が当たってしまい、ビールをこぼしてしまった。
そのことで父にえらく怒られたことがあった。
(当時Hは6歳か7歳だった)
それ以来、音を楽しむことがなくなった。
カラオケにはその後約11年間行くことはなかった。


音楽だけの話ではなく、全てにおいて、人前で何かをするのが苦手だった。
特に披露する系が嫌いで、失敗した時に周りにとやかく言われるのが不快で、何事も一人の環境で行いたいと昔から思っていた。


そんなHがある時になかやまきんに君のマグマスパゲッティをTVで見て、Bon joviのIt's My Life を気に入る。
この当時はまだスマホを持ってなかったので、自分から音楽を聴く手段がなかったので、三兄のスマホで聴かせてもらっていたと思う。


中学生になり、EDMに出会ってから、音楽をよく聴くようになった。※


三兄と釣りなどに行く時、スマホと車をBluetoothで繋いで音楽を流すことがあった。
私の好きな曲を流しても三兄は無反応なので、なるべく三兄の知っていそうな曲を探して流していた。

を流した。
すると三兄は「H、この曲知っているなら今度カラオケで歌えよ」と言ってきた。
私はカラオケが嫌いだから、まずその場に行くことはないだろうと思っていた。

しかし、次兄の結婚式の二次会でカラオケのある居酒屋に行くことになった。
「Hも歌えよ」三兄にそう言われて、
「歌いたくない」と言えばその場の雰囲気を悪くしてしまうと思い、「WOW WAR TONIGHT ~時には起こせよムーヴメント~」を歌った。

声を張ることにも、マイクにも、歌うことにも慣れていないHは、なんとか歌いきった。
もう二度歌いたくないと思った。
家族は「H上手いじゃん!」「Hが歌っているの初めて見た」「上手いじゃん!自信持ちなよ」と見え見えの嘘にまみれた励ましをくれた。
(その後、二十歳になって親に飲みに連れられて行った二軒目などで歌わされることはあったが、楽しくはなかった…歌いたくなかった…)


次兄の結婚式から数ヵ月後、兄弟四人で釣りに行った。
その時に私が歌った話になり、
次兄が「そういえばHが歌った時、次兄の嫁泣いてたよ」と言った。
H「なんで?」
次兄「わかんない」
長兄「長兄の嫁も泣いてた」
H「なんでなの?」
長兄「わかんない」
理由はわからないが、義理の姉二人が泣いていたらしい。
歌っていた時は周りのことなんか目に入っていなかった。
自分の歌声には聴き手を泣かせる何か特殊な効果があるのかもしれない…(下手すぎて笑い泣いていたのかも…)



歌や曲は聴くのは好きですが、自分が歌うのは好きではないです。
自信がつくまでは人前で歌いたくない。
楽しくないし…
もともと内気な性格なので、やはり人前で何かするのは苦手です。
歌うなら、一人で周りに聞こえない環境で歌いたい…
そう思うHでした。

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